理不尽なリジェクトを受けたアプリが公開になるまでの経緯
目次
はじめに
Apple の App Store にアプリを公開するためには、Apple のレビュー(審査)を通過する必要があります。
ほとんどの場合は、適切にレビューが行われていますが、時々、理不尽な評価や対応がなされる場合があります。アプリに対して理不尽な評価が下されると、それを覆すことはとても難しく、最悪の場合アプリの公開を断念することになる場合もあるようです。
僕の経験では、たまたま当たったレビュアー個人の資質の問題というか、まともにレビューを行っていないレビュアーによる理不尽な評価(対応)だった為、なんとかアプリの公開にたどりつくことができましが、本来はおこなう必要のない苦労と時間を費やすことになりました。
今後、僕と同じようなレビュアー(または同一人物)に不運にも当たってしまった方の参考になればとおもい、その経緯をまとめておきます。
困ったレビュアー、その1
レビューを開始し、数日間放ったらかし(レビューの結果がでない状態)にされた。
理不尽なリジェクトではなく理不尽な対応です。
経緯
それまで、何度もバージョンアップをおこなっており、レビューもいつも問題なく通過してたアプリをバージョンアップのためにレビューに提出した。
2016年2月26日、アプリのステータスが「In Review」となり、レビューが始まった。
2016年2月27日、1日たってもステータスが「In Review」から変わらない。26日は金曜日でレビューをおこなっているとおもわれるアメリカでは夕方の時刻にレビューが始まったようなので、ひょっとしたらレビュアーはレビューを始めたが途中(定時?)で帰ってしまったのではないかと、嫌な予感がした。
2016年2月28日(日曜日)もステータスは「In Review」のまま。嫌な予感が的中したのだろう。月曜日(29日1)にはレビュー結果がでるだろうと待つことにした。
2016年2月29日もステータスは「In Review」のまま。これは何か手を打たないと永遠に放置されかねないので、対策を探す。
2016年3月1日になっても「In Review」のままなので、「App Review Board(アプリケーション審査委員会)」2に、今までは数時間でレビュー結果が出ているが、今回は26日からステータスが「In Review」のまま変化がないが、あと、何日まてば結果ができるのか教えて欲しいと送ってみた。
- 苦情を出したからなのか、たまたまなのか、わからないけど苦情を出して直ぐ(3月1日)にレビューを通過しました。
この経験から得たもの
その後、土日でもレビューが行なわれることを経験しています。レビュアーがレビューを開始して途中で休みに入ってしまった可能性は否定できませんが、3日以上も放置されたことには変わりありません。
僕の場合は大抵数時間3で結果がでるので、これからは24時間を過ぎてもステータスに変化がなければ苦情を出そうと思っています。4
困ったレビュアー、その2
あきらかに、無知、無能、おまけにレビューをちゃんとおこなっていない、最悪のレビュアーでした。何故、この人がレビュアーをやっているのか不思議に思う人でした。
リジェクトをくらった時は、レビュアーの言う通りに修正しないと、レビューは通らないのですが、修正できないアプリの外、しかも他所様のWebサイトの中身を変更しろといってきたのには、信じられなかった。
もちろん、勘違いということもあるので、説明すれば直ぐに分かってくれると思ったが、そうではなかった。。。。
経緯
新しいくアプリ(Dynawrite)を出すためにレビューに出した。おなじようなアプリのMemoFlowyはいつも問題なくレビューを通過しているので、特に心配はしていなかった。
1回目のリジェクト
AppStoreからだすアプリは、AppStore経由以外での課金などの処理を含めてはいけないことになっています。5
リジェクトの説明には「Dynawrite内にアプリ内課金以外のコードが入っているので、それをアプリから排除(削除)するか、アプリ内課金に書き換えるかしなさい。」とあり、スクリーンショットもついていました。
リジェクトの説明をみた最初は「何で??」としか頭に浮かばなかったですが、よくよく考えたら「レビュアーも人だから勘違いしているんだろう。Dynawrite内で他所様のサービスのDynalistを見える様になってるんだから勘違いしても仕方ないか」と思い、まぁ、説明すれば直ぐにわかってくれるだろうと軽く考えて、レビュアーに以下の内容の返信をおくりました。
スクリーンショットの内容は、アプリ(Dynawrite)の機能ではない。
スクリーンショットは、Dynalistの購入画面でアプリの内容と機能とは関係ない。
DynalistはWeb上のサービスで、私が提供するサービスではないし、私はDynalistの関係者でもない。
DynawriteはDynalist用のサードパーティ製アプリです。
Dynalistの機能ではなく、アプリの機能の審査をお願いします。
しかし、レビュアーから返ってきた返事は、リジェクトの説明と全く同じものでした。。。しかも同じスクリーンショット付きで。また、この件に関して電話でやり取りすることも可能と書いてきました。
この時点で、厄介なレビュアーにあたってしまったなぁ〜と思ったけど、僕が出来ることは説明することしかない。
かといって、英語は万年赤点の成績で、Google翻訳をつかってなんとかやり取りしている僕にとっては、電話でのやり取りは全くの不可能です。
レビュアーの言うようにDynalistの購入画面を削除することも、僕のアプリ内課金で処理するなんてこともできないし。
しかたないので、もう一度、レビュアーに返信を送る。
指摘の購入画面は僕アプリのものでは無い。
アプリはメモ入力画面とブラウザ画面があって、ブラウザで他人の(僕のではない)サービスの購入画面を表示しているだけで、アプリの機能ではない。
メモ入力画面のスクリーンショットとブラウザ画面のスクリーンショットを添付。
EvernoteやTwitterにあるサードパーティ製アプリと同様のサードパーティ製アプリです。
結局、返信は来ず、アメリカが夜中になったので、Dynawriteの中身をすこし変更して、Dynalistの購入画面は、Dynawriteの中では表示しないように、ブラウザ(デフォルトではsafari)に投げて表示するように修正し、再提出しました。また、再提出時にレビュアーに対する説明を書く欄に、サードパーティ製アプリであることや、ブラウザ画面でDynalistを表示していること、Dynalistは僕の提供しているサービスでないこと、Dynalistの機能ではなくアプリの機能をレビューしてくれと書きました。
2回目もリジェクト
翌日、届いた結果も、リジェクト。。。
リジェクト理由も同じ。添付されてきたスクリーンショットも前回添付されていたのと同じ画面で、さらにここを修正しろとわかるように○まで付いているではありませんか。
てっきり、Dynalistの購入画面を出なくした部分に不備が有ったのだとおもって、必死になって送られてきたスクリーンショットと同じになる方法を探したけど一向にできない。本当にどうやってこの画面を出したんだろうと、悩みながら探し続けるが、時間だけ過ぎていた。。。とうとうアメリカが夜になって、今日中の返信を諦めた時に、ふと気が付きました。
今回、送られてきたスクリーンショットのiOSのステータス・バーにある時刻が、1回目のリジェクトの2回目に送られてきたスクリーンショットの時刻と同じ6:22PM
。というか、1回目のリジェクトのスクリーンショットを2回目のリジェクトの理由として使われている。
これって、出るはずのない画面を理由にリジェクトされたわけで、修正して新しく提出した物をつかってレビューしていない証拠です。極端な話し、全く何もせずにリジェクトした可能性も有るわけです。
これに気がついた時は、怒りしかなかったですね。。。
早速、レビュアーに返信を書きました。
再提出した新しいバージョンのものは、指摘のあった画面は出ないよう修正してある。
送られてきたスクリーンショットは旧バージョンのものではないか?
旧バージョンではなく、指摘通りに修正した新バージョンでレビューをして欲しい。
「App Review Board(アプリケーション審査委員会)」に不服申立てをおこなう。
返信しただけでは、怒りがおさまるわけありません。
ひょっとしたら、また、リジェクトされる可能性もあります。だって、レビューも何もせずに、リジェクトりている可能性もあるわけですから。。。
そこで、「App Review Board(アプリケーション審査委員会)」に不服申立てをおこないました。
レビュアーの指摘の通り、修正をおこなって、再提出をおこなったが、また、リジェクトされた。
リジェクト時に添付されているスクリーンショットは、修正前の旧バージョンのものです。
修正をほどこした新バージョンでは、絶対に添付されていたスクリーンショットにはなりません。
旧バージョンではなく、修正をおこなった新バージョンでレビューを行って欲しい。
レビュアーが指摘しているのは、アプリ内のブラウザ画面で表示しているネット上にあるDynalistの購入画面であって、Dynalistは僕の提供しているサービスでは無いし、アプリの機能でもない。
Dynalistのサードパーティ製アプリであって、Dynalistがアプリの中に含まれているわけでもない。
他所様のDynalistの機能をレビューするのではなく、僕のアプリの機能をレビューして欲しい。
言いたいことは、2点。
再提出した物を使ってレビューせずにリジェクトされた。ちゃんとレビューしてないだろ、コラー!
リジェクト理由もアプリの機能ではなく、アプリの外の他所様のサービスに対するものであって的外れである。
レビュー通過
アメリカで仕事が始まるころに、ステータスが「In Review」になりました。
とおもったら、6分後にレビューを通過しました。
6分でレビュー終了って、本当にレビューしてるの?って心配になりますが、通過してしまえばこっちのものです。
それよりも、2回目のリジェクトの時は2時間もレビューしてることになってるんですよ。修正した物を動かしていないのに2時間も何してたんでしょうねぇ〜。6
この経験から得たもの
無駄な労力を払わされましたが、本当に無能なレビュアーにあたってラッキーだったと、今は思っています。
だって、仕事(レビュー)をしていない証拠を自ら差し出してくれてるんですよ。
おかげで、不服申立てをおこなう時に、反論できない証拠をつきつける事ができ、超有利になったと思います。
まとめ
理不尽なレビュアーにあたってしまった場合は、「App Review Board(アプリケーション審査委員会)」に不服申立てをおこなうのがいいと思いました。
Appleの「App Reviewのガイドライン」にも、
App Review Board(アプリケーション審査委員会)
機能的または技術的な仕様が誤解されていると思われる場合は、アプリケーションの却下に対して不服の申し立てを行うことができます。デベロッパは、そのアプリケーションについて再考を促すうえで参考になる詳細情報をApp Review Boardに送信することができます。申し立てを提出するには、こちらからサインインしてください。
とあります。
「App Review Board(アプリケーション審査委員会)」に送信した内容は、レビュアーとは異なる人が見ていると思います。なので、いかに理不尽なレビューを受けているかを、客観的に判断できる証拠を必ず付けておこないましょう。
僕の場合「数日間もレビューが続いている」と「旧バージョンのスクリーンショットを理由にリジェクトされた(正しくレビューがおこなわれていない)」があったために、不服の申し立てを行うことで簡単に解決できたのだと思います。
無闇に不服の申し立てを行っても無駄でしょうし、無意味な不服申し立てが増えてしまい、アプリケーション審査委員会がちゃんと機能しなくなってしまうともっと困りますよね。
願わくは、今後のためにも、正しくレビューをせずにリジェクトを出したレビュアーは首にするか、せめてレビューの担当から外してくれないですかねぇ〜。